島田荘司『屋上の道化たち』感想

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久し振りに読書記事です。今回はミステリ作品にしました。少しネタバレっぽいものが出てきますので、苦手な方はスルーしてください。

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『屋上の道化たち』著者 島田荘司

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まったく自殺する気がないのに、その銀行ビルの屋上に上がった男女は次々と飛びおりて、死んでしまう。いったい、なぜ?
「屋上の呪い」をめぐる、あまりにも不可思議な謎を解き明かせるのは、名探偵・御手洗潔しかいない!
「読者への挑戦」も組み込まれた、御手洗潔シリーズ50作目にあたる書き下ろし傑作長編! 強烈な謎と鮮烈な解決! 本格ミステリーの醍醐味、ここにあり!

<楽天ブックスより引用>

偶然の重なり具合がピタゴラスイッチ

御手洗潔シリーズってもう50作品になるのか…と驚きました。
さてさて、この作品ですが、屋上に水をやりに行った人が何故か飛び降り自殺をする、という不思議な事件に挑みます。
島田先生の作品は、非常に大掛かりなトリックの話が多く、犯人当てや謎解きそのものが難解という印象を受けますが、今回はその極みです。
読んだ後の率直な感想を言うと、なんだねこのピタゴラスイッチは!という感じです。こんなん分かるか。分かるのは御手洗潔くらいです。それを解いちゃう御手洗、さすが御手洗。

ネタバレに近いですが、偶然があれよあれよと重なって結果的に事件のようなものになってしまった、というオチに驚かされます。
こんなに偶然が重なるわけあるかい、と突っ込みたくなりますが、そのオチに辿り着くまでに提示される謎…自殺しそうにない銀行員たちの不審死、安定しない簀子、死んだ行員たちの関係性などが非常に惹き込まれる要素なので、どんなオチでも「なんだかんだ言っても面白かったなぁ」と思えてきます。

テンポの良い会話がまるで舞台劇

この作品の魅力は、御手洗潔の天才的頭脳によって導かれる謎の解明ではなく、キャラクター同士のテンポの良い会話です。
かなり分厚い本に見えますが、実際読んでみるとキャラクター同士の会話文が大半を占めていますので、サクサク読める。まるで舞台の台本を読んでいるような感覚になりますが、それが良い味になっています。普通ならつまらなくなる要素なんですが、演劇を観ているような臨場感があります。
個人的には吉本新喜劇っぽいです。ヒロインが大阪弁だからだと思うんですが、すごく吉本新喜劇。

後半の謎解きに入る前に、この作品には「読者への挑戦状」が用意されています。そういったところがミステリっぽさを演出していますが、読んでみた感想を述べると、本作はミステリという印象が非常に薄い気がします。あくまでも島田荘司作品の中で…ということですが。
「演劇のようなテンポ」「偶然が重なったピタゴラスイッチ的なトリック」「登場人物や物語の軽さ」ミステリというよりも喜劇のような印象を与えます。

まとめ

オチには確かに驚かされますが、同時に思わず笑ってしまうような話になっています。
もし実写化されるなら三谷幸喜作品のようなテンポを期待します。もちろん御手洗潔は私の大好きな玉木宏さんでお願いしますよ!イケメン!

御手洗潔シリーズの長編は猟奇的な事件も多いですが、この作品は猟奇性はありません。サクッと楽しく御手洗潔シリーズを読みたい方におすすめしたいですね。

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